台風はオブジェクトだろうか?

台風には中心があり、ある風速を閾値とする輪郭をもつ。中心は静止しているわけではなく、移動する。それぞれの台風は天気図上で識別できる。人間は台風に番号や名前をつける。台風は「発生年+番号」または「発生年+名前」で識別できる。その意味で、台風はアイデンティティを持っている。

一方、台風は自然現象である。特別な法則が働いているわけではなく、周辺の大気と同じ物理法則に従っている。その意味では、「台風」という特別な現象があるわけではなく、単に気圧や風速で考えることができる。

あるシステムを考えたとき、そのシステムでもともと意図していないような特異なデーターが生まれることがある。たとえば、ライフゲームのグライダーがそれだ。
wikipedia:グライダー_(ライフゲーム)
ライフゲームにはグライダーを扱う特別な仕組みは存在しない。しかしグライダーは発生し、人間はグライダーに何らかのアイデンティティを見出す。台風も同じだろうか?

気象状態を扱うシステムを考えるとする。そのシステムでは、台風は特別なデーター(オブジェクト)として扱うべきだろうか、それとも単なる気圧や風速のデーターとして、他と区別せず扱うべきだろうか。後者の場合、人間が台風にアイデンティティを与えたときに、それを管理するにはどうすればよいだろうか。