EclipseとMavenでGWTアプリケーションを作成する:01 事前準備

環境など

私は日本語化されたEclipseを使用しているので、英語版とはメニューや項目名が異なります。お使いの環境と異なる場合には、適宜読み替えてください。

この説明で使用しているソフトウェアのバージョンは次の通りです。

はじめに

Google Web Toolkit(GWT)はJavaを使ってWebアプリケーションのクライアント側もサーバー側も作れる画期的な開発ツールキットです。

GWTでの開発については Getting Started - Tutorials - Google Web Toolkit (日本語訳:Google Web Toolkit(GWT) 2.0入門チュートリアル日本語訳:スタートガイド - 自由で気ままな日々)に入門チュートリアルがあります。これはEclipseGoogle Plugin for Eclipseを使ったものです。

Mavenを使うとコンパイルや配置の方法が統一され、依存ライブラリも自動的に取得されるため、開発後に別の開発者によって改良やメンテナンス、配置をすることが容易になります。GWTの開発でもMavenを使うことでその利点を生かすことができます。

本シリーズではEclipseMavenを使ってGWTアプリケーションの開発をする方法を説明します。上記チュートリアルにあるEclipseGoogle Plugin for Eclipseを使った開発とはディレクトリ構造やコンパイル、実行方法などが異なるため、自分用のおぼえがきとしても記録することにしました。間違いやお気づきの点がありましたら、コメントなどでご指摘ください。

JDKを準備する

JDKJava Development Kit)をインストールしておきます。私はJDK 1.6.0を使用しています。

環境変数 JAVA_HOME にインストール先パスを設定します。

JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_20

Maven2を準備する

Maven2をインストールしておきます。

環境変数 PATH の末尾にインストール先のbinフォルダのパスを追加します。

PATH=...;C:\Maven\bin

Eclipseとプラグインを準備する

Eclipseをインストールしておきます。私は日本語化された Eclipse 3.6 Helios Pleiades All in One を使用しています。

Eclipseにm2eclipseプラグインを入れておきます。

1. Eclipseの ヘルプ->新規ソフトウェアのインストール をクリックします。

2. 「インストール」ダイアログが表示されます。作業対象の横の「追加」をクリックします。

3. 「リポジトリーの追加」ダイアログが表示されます。次のように入力し、「OK」をクリックします。

4. 「インストール」ダイアログに戻ります。一覧の「EclipseMaven統合」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。もし一覧に「EclipseMaven統合」が表示されてない場合には、作業対象として「m2eclipse」を選択してください。

5. インストール詳細が表示されます。「次へ」をクリックします。

6. ライセンスのレビューが表示されます。「使用条件の条項に同意します」をクリックし、「完了」をクリックします。

なお、Google Web Toolkit SDKGoogle Plugin for Eclipse 3.6は入れなくても大丈夫です。Mavenで作成したプロジェクトはファイルの配置がGoogle Plugin for Eclipseで想定されている配置と異なるため、Google Plugin for Eclipseのメニューからではビルドできません。

EclipseにJDKを設定する

Mavenを使う場合、Eclipseが使用するJava仮想マシンJREからJDKのものに変更する必要があります。

1. Eclipseの ウィンドウ->設定 メニューをクリックします。

2. 「設定」ダイアログが表示されます。Java->インストール済みのJava をクリックし、右側でJDKにチェックを入れ、「OK」をクリックします。

また、Eclipseをインストールしたディレクトリにある eclipse.ini にも同様にJDKのパスを設定します。「-vm」という行を書き、そのすぐ下にJDKJavaのパスを記述します。Windowsの場合にはjavaw.exeのパスにします。

-vm
C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_20\bin\javaw.exe

このオプションは「-vmargs」オプションより下にあると認識されません。必ず「-vmargs」より上に記述してください。

以上で事前準備は完了です。

02 プロジェクトを作成する