文書の保存と破棄について、よりわかりやすい動作を考えてみた

うちの会社の人にExcelの定型フォーマットを渡して記入してもらうと、作成した後に保存しないで閉じてしまうことがある。メモリーとHDDに別々の状態が存在することがよくわからないようだ。

ノートに鉛筆で書いたメモはノートを閉じても消えることがない。いちいち保存のための作業をしなくても内容が保存され、次回にノートを開いたときには前回の内容が残っている。アプリケーションを使うユーザーにとっては文書を変更したらそれが記憶され、次回に文書を呼び出した際にきちんと反映されている方が自然だろう。彼らにとってはメモリーとHDDの区別はどうでもいいことなのだ。

しかしメモリーとHDDに別々の状態が存在する場合、保存しなければ元の状態のままにできるという利点がある。この利点のため、あえてメモリーとHDDの状態を区別しているユーザーも存在する。少なくとも私はそうだ。文書の変更が必ず保存されるようになったら、この利点を得ることはできなくなる。

モリーとHDDの状態を意識せず、しかも元の状態にも戻せるようにするにはどうすればよいだろうか。ひとつのアイデアは、閉じるときには必ず保存されるが、編集中にいつでも入力前の状態に戻せるオプションを用意するというものだ。これによりアプリの操作方法は次のように変更される。

現在:「変更を保存して終了する」「変更を破棄して終了する」

変更後:「変更を保存して終了する」「入力前の状態に戻す」

一見これらは同じ操作のように見えるが、「入力前の状態に戻す」は編集中にいつでも使うことができ、アプリは終了しない。もし変更を破棄して終了したいなら「入力前の状態に戻す」を選択してから「終了する」を選択すればよい。「入力前の状態に戻す」では内容が入力前の状態に戻るため、変更が破棄されたことを目で見て確認することができるし、そこから再び編集を開始することもできる。

これなら変更は必ず保存されるからメモリーとHDDの状態は一致するし、入力前の状態にも戻せる。アプリケーションを閉じる前の状態が保存されるので、現在のものよりわかりやすい動作になっていると思う。